物語のある家づくり 第1回

職人の想いを形にした
新たな店を兼ねる住まい

宇野カバン店・宇野様邸(岐阜市)

岐阜市・宇野様邸_店舗外観

創業65年を迎える「宇野カバン店」の新店舗と住居を兼ねた宇野様邸。 入居して半年となるご夫婦に、中心となった店づくりや住み心地などについて伺いました。

お客様への想いから移転を決意

間近には清流長良川と、緑豊かな金華山。古い町並みが並ぶ、静かな市街地に宇野様邸はあります。その1階で、こだわりのランドセルを主に扱う鞄店を営むのが、職人である三代目のご主人・幸晴さんと奥様の純子さん。「6年間似合うもの」をコンセプトに、上質な素材を使ったシンプルなデザインのランドセルには、専門店ならではの気品が感じられます。

岐阜市・宇野様邸_店舗

創業時より営業していた店舗から、一本道を挟んだ通りへ移転。今年5月にオープンした店舗は、心地良い木の香りが漂っています。大きな窓から陽が差し込む店内の中心には、幸晴さんが「アットホームな店の象徴として入れたかった」という円卓が。柱に付けた鏡では、ランドセルを背負った姿を確認していただけます。お客様は自然とこちらへ集い、気軽に座られたり、商品をじっくり検討されているのだとか。

岐阜市・宇野様邸_店舗内観

新店舗は「動線もばっちり。全てがプラスです」という幸晴さん。今やランドセル選ぴは、家族にとっての一大イベント。来店されるお客様の数も1組あたり4、5人と多くなり、小ぢんまりとした旧店舗では手狭になってしまうように。宇野様が新しい店づくりを考えはじめたきっかけには、お客様への「想い」がありました。

岐阜市・宇野様邸_工房

「ご両親が主体にはなりますが、ランドセル選ぴはお子様にとって、初めての大きな決断。私たちも特徴などを説明させていただくので、やはり時間もかかります。お子様のものだからこそ、納得いくまで実際に試していただきたい。そのため、お客様が店内でゆっくり過ごせるスペースを設けたいというのが、移転の狙いでした」

岐阜市・宇野様邸_ショップサイン

「宮部さんにお願いするしかない」

実は「宇野カバン店」旧店舗と、宮部建設の岐阜支店はご近所同士。これまでも改装等でお付き合いがあった「ご縁」だけではなく、築き上げてきた「信頼」が宮部を選択した理由だったと幸晴さんはいいます。

岐阜市・宇野様邸_ランドセル

「新築するなら、店舗兼住居をと思っていました。漠然としたイメージはあったんですが、もちろん専門的なことは分かりません。こういった特殊な形の建物をつくりたいと考え始めたとき、以前から私たちの意見をしっかり聞いてくれ、人柄も含め信頼できる宮部さんにお願いするしかないと思いましたね」

岐阜市・宇野様邸_ランドセル

また、店内の温かな雰囲気づくりにあたって「木造建築といえば宮部さん」というイメージも、決め手のひとつになったそうです。

岐阜市・宇野様邸_工房

何度も繰り返した打ち合せ

2階の住居よりも、店舗づくりに重点を置いた宇野様。お子様を対象にする店と専門店らしさとの両立、歴史ある地域という特徴的な立地どのバランスなど。考えなければいけないことは多岐に渡り、その度ごとに打ち合せも行われました。

岐阜市・宇野様邸_工房

「少しでも不安になると『すみません…』って、宮部さんに電話して(笑)。『大丈夫ですよね?』なんて、いろんなことを聞いていただきました」と純子さん。「ああでもない、こうでもないと二人で悩んだ結果、初めに提案していただいた通りだったことがほとんど」ど、幸晴さんも微笑みます。

岐阜市・宇野様邸_店舗外観

一番時聞を費やしたのは、店全体の印象を決める外観でした。「外壁の色は見本を見ても、なかなかイメージが掴めなくて…。他にも、正面から見える2階の住居に付ける窓の位置や、看板に使うアイアンの色まで、一つひとつ話し合いを重ねていきました」と振り返るお二人。

岐阜市・宇野様邸_店舗倉庫

そうして完成した外観は、ご夫婦とも「イメージ通り」と大満足。漠然としていたイメージを明確にしていくため、打ち合せは必要な作業だったと幸晴さんはいいます。「当店がものづくりをする際、大切にしているのはお客様との対話。お話から要望を感じ取って、商品にフィードバックできるよう試行錯誤します。宮部さんには私たちの質問や要望に対し、全て誠実に応えてもらえました。そんな姿勢に共感しましたし、見習わないといけないですね」

岐阜市・宇野様邸_店舗外観

次第にお互いのイメージ共有ができるようになり、「全てお任せ」でつくったという店の扉は、純子さん一番のお気に入りになりました。

岐阜市・宇野様邸_住宅部分

地元で愛される鞄の専門店に

お任せの部分が多かった住居スペースも「快適です」とお二人。「県外に住む妻の両親が来たとき、泊まってもらいたかった」という、念願の和室も設けました。

岐阜市・宇野様邸_階段

入居されてすぐランドセルの商戦が始まり、ご多忙な日々を送られてきた宇野様。今も店舗で過ごす時聞が長くなってしまうそうですが、幸晴さんは「おめでたい日の品物に携われて、本当に幸せ」といいます。

岐阜市・宇野様邸_イメージ

「これからも地域に密着した、お子様に愛してもらえる店になりたい。また、ご両親から『ランドセル以外のものを』とお声をかけていただく機会も増えたので、当店オリジナルの鞄を並べていけたらと思っています」

月日の経過と共に、新店舗がどのように進化していくのか、今後も楽しみです。

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