年中快適な環境づくり
Comfortability
一年を通して快適な温熱環境で、健康に
どんなに素敵なデザインの家でも冬凍えるように寒く、夏は蒸し風呂のようでは快適な家とは言えませんよね。
日々暮らしていく中での快適さを左右する大きな要因が「温熱環境」です。
温熱性能
「2022年、日本の家づくりが変わった。」
近い将来、日本のみなさんはそう振り返ることでしょう。2050 年脱炭素社会の実現に向け て国を挙げた住宅高性能化への取組が急加速。
2022年10月、省エネ等級の新設とともに、新施策が続々と開始されています。断熱等性能等級5・6・7の新設。等級追加は実に23年ぶり。認定長期優良住宅の適合条件には断熱等性能等級5を要件に組み入れました。今後さらに、2025年度には断熱等性能等級4適合義務化を予定。2030年度には断熱等性能等級5適合義務化が予定されています。
また、断熱等性能等級とあわせて、一次エネルギー消費量もBEI0.8以下の6等級が新設されています。
HEAT20レベルが公的な断熱等性能等級として法制化されており、認定長期優良住宅の断熱要件が「等級5」に引き上げられたことで、住宅業界全体としても、「等級6」レベルが必要最低限の家づくりになると考えられます。
ではなぜ今、断熱等性能等級5・6・7といった上位等級を目指す必要があるのでしょうか。高断熱な家は冬季の死亡リスクや疾患リスクが低いというメリットがあるのは言うまでもありません。もっと大きな視野に立ってみると、世界的なエネルギー争奪戦のなかで、私たち日本での暮らしにも様々な悪影響が生じてきています。電気代やガス代の高騰がさらに進むことで家計への影響も膨らみます。エネルギー消費の少ない高断熱住宅に住まうことで、世界のエネルギー問題に対して貢献することが出来るのです。
外の熱を室内に伝えないことが快適な温熱環境づくりの秘訣
そもそも、人はなぜ寒く感じたり、暑く感じたりするのでしょうか?
熱は「高いところから低いところへ移動する」という性質があります。冬の窓際に立つと寒く感じるのは、冷たいガラス窓に体の代謝熱(体内で発生する熱)を奪われるからです。逆に夏に暑く感じるのは、周囲に熱を奪ってくれるものが無く体内に代謝熱がこもってしまうからです。
この原理のため、たとえエアコンの温度設定を同じにしても断熱性能の高い家と低い家とでは「体感温度」が異なります。断熱性能の低い家でどれだけ暖房しても寒く感じます。代謝熱を壁・床・天井などに吸い取られてしまうからなのです。ざっくり言うと、壁・床・天井の平均表面温度と室温を足して2で割ったものが体感温度になります。夏も同様です。日射で焼けた屋根の熱が室内に伝わってくると、室温以上に暑く感じることになります。
冬は暖かく・夏は涼しく暮らすには、壁・床・天井そして窓の断熱性能を高性能化して外の熱を室内に入れない、また室内の熱を外に逃さないことがポイントです。
家全体を断熱すると暖房をしていない部屋まで暖かくなります
断熱性能が低い家では、浴室の室温がリビングルームなどに比べ10℃近く低くなるため、お風呂に入ろうと服を脱ぐと血圧が一気に上昇します。しかし、湯船に入ると今度は血管が一気に広がり血圧は急降下します。このような血圧の急変を「ヒートショック」といい、これが原因で命を落とす方が全国で実に1万7千人もいます。交通事故で亡くなる方のおよそ3倍です。
家全体を断熱材でくるみ断熱性能を高めると部屋と部屋との温度差が小さくなります。暖房をしている部屋とそうでない部屋との温度差が2〜4℃以内におさまります。廊下やトイレ、浴室も震え上がるような寒さにはなりません。「ヒートショック」のリスクも小さくなるのです。また、断熱性能の高い家は窓や壁の「結露」も発生しませんので、湿気を好むカビやダニの発生をを抑制します。このことはアレルギー症状の原因のひとつである「ハウスダスト」発生を抑えることにもつながります。
家全体の断熱性能を高めると暖房をしていない部屋まで暖かくなります。家の中で厚着をする必要もなくなり、トイレやお風呂に行く時にも寒さをガマンする必要がありません。そしてなによりも、ヒートショックやアレルギーなど、疾病のリスクが低下するのがうれしいことです。
宮部建設は断熱基準「HEAT20 G2グレード」に準じた家づくりをします
海外に比べて住宅の温熱環境に対する意識の低かった日本においても断熱性能の高い快適な家づくりが本格化しはじめています。宮部建設では「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会(HEAT20)」が提唱する指標や手法に準じた家づくりを行います。HEAT20は住宅建築の研究者や住宅・建材生産者団体の有志によって構成された、実務者視点からの「未来の日本のすまい」を提唱している団体です。
HEAT20には2つのグレードがあります。平成25年に国が定めた省エネ基準レベルの住宅と比較して暖房負荷が約30%削減できる、つまり国の基準より高い性能の「G1グレード」と、約50%削減できる更に高性能の「G2グレード」です。宮部建設では、この中のG2グレードを標準仕様とし、快適な温熱環境と省エネルギーな暮らしをお客様に提供していきたいと考えます。
パッシブ冷暖
「パッシブ冷暖」は快適な温熱環境をミニマムなエネルギーで実現
パッシブ冷暖は、住宅及び小規模建築における最小・最適な冷暖房システムです。
高性能エアコンから出る気流をコントロールすることで、わずか1台のエアコンで10数坪・ワンフロアの冷暖房を可能にした特許に裏付けされた冷暖房システムです。
パッシブ冷暖はパッシブデザインを前提にした冷暖房システム
パッシブ冷暖は、パッシブデザインの手法を適切に取り入れた建物に導入することを前提とした最小最適な冷暖房システムです。
上図の実線は、パッシブデザインを考慮していない建物の室温の変化です。夏は外気温に合わせて室温が上がり、反対に冬は室温が下がります。そうした気象に左右される温度環境を、空調機器で強引に快適な範囲に誘導していることが分かります。こうした方法では冷暖房の負荷は大きくなり、エネルギーの消費量が増え、光熱費もかさんでしまいます。
一方、パッシブデザインを用いた建物の室温が破線(点線)です。建物の断熱(保温)性能を高め、周辺の自然エネルギーを利用できれば、小さなエネルギーの空調機器で快適な暖涼感を得られます。そうした最小で最適な冷暖房システムとして考えられたのがパッシブ冷暖なのです。
高効率の冷暖房システム「パッシブ冷暖」
冬の曇天や夜間、あるいは真夏の日中など、パッシブデザインや断熱気密性能だけで快適な温熱環境を保つのは難しい時期があります。そのような時期に温熱環境づくりを補完するのが「パッシブ冷暖」です。
「パッシブ冷暖」は暖気/冷気を床下空間や吹き抜け上部に送り込む暖冷房システムです。季節に応じて適切に暖気/冷気を送り届けるように計画することにより、1台のエアコンで全館の温熱環境をまかなうことも可能です。部屋ごとのエアコンを稼働させるのに比べ、使用する電力量を大幅に抑えることが可能となります。