【犬山市T様邸】24坪コンパクトな平屋 重量木骨の家 耐震等級3 薪ストーブ
Works #9
豊かな自然に囲まれた犬山市のT様邸。
数値ばかりを追求し味気のない今時の住まいとは真反対を向くその姿。
これからの暮らしにおいて大切なものが何なのか、教えてくれているようです。
南西側から眺めた平屋外観の様子
東西に長い敷地形状に合わせた平屋の建物。南に面した心地よい贅沢な場を最大限活用できるようにとプランニング時に心懸けました。
家づくりに当たって最優先事項とした、家族を災害から守れる高い耐震性を有する家。耐震構法SE構法をなんとか採用して家を建てたいというご夫妻の強い願い。敷地が広い分、家は必要最低限にしようと『コンパクトな平屋』という明確なコンセプトで腹を括っていただいたことも、ぶれなくプランニングが行えシンプルな平屋が完成した大きな要因ではないでしょうか。平屋で薪ストーブも購入するなか、予算は極限まで抑制することができたと自負できます。
西側に広がる山林と敷地中央には存在感のある大樹
家を建てると決めてから始めた土地探し。当初は犬山市内の宅地を探し続けていましたが、条件面などでなかなか良い物件に巡り合いませんでした。そうしたなか、市内から少し離れた郊外の物件に目が留まります。
現地を調査した段階では、空き家になっていた古い既設の住宅や小屋も建っており、即座に「ここだ!」といったテンションで決められる物件ではなかったはず。しかし、ご主人は『自然豊かな環境であるにもかかわらず鉄道の駅が近い』という奇跡的な条件に徐々に心惹かれていくのでした。
2LDK 24坪+外テラス4坪のコンパクトな平屋
東西方向に長い建物形状。屋根は西から東に流れる片流れ屋根として、西側に設けた個室(主寝室・お子様部屋)、リビングにおける天井の高さを確保。主寝室には天井裏に小屋裏収納を、お子様部屋にはロフトを設けることが可能に。上写真のリビングは、薪ストーブの煙突が伸びる天井高のある空間に。リビング畳スペースに設けた掃き出し窓の頭上には更にFIXの明かり取り窓を加えています。敷地の大樹が作り出す木陰がリビングに落ちてくるというなんとも贅沢な場となりました。
リビングの床を敢えて畳にすることで
テレビボードの前は6畳の畳スペース。LDKに敷き詰められたフローリングの材は『ヒノキ』。ヒノキの特徴でもある優しく温もりのある肌触りには、フラットに繋がる畳スペースが最適とのご提案から。なにしろ、このリビングの外には心地よい木陰を作り出してくれる大樹が。その大樹を眺める最適な姿勢は、ゴロンと寝転がって見上げる姿勢ではないでしょうか。そうなれば、床の仕上げ材は自ずと決まってくるというわけです。
テレビを見ることよりも、窓の外を、庭を眺めることに時間を割いてほしい。そんな親心も感じる素材選びもあるわけです。ゴロンと寝転がって大の字に。青空を眺めた時の気持ちよさったら。私も我が家のようにリラックスしてしまう、そんな居場所です。
リビングから奥に個室、右手に書斎、手前に薪ストーブ
豊かな自然に囲まれたT様邸。耐震構法SE構法を採用していますが、ご夫婦からは「できるだけ木の温もりを感じられる住まいにしたい」との要望もあり、室内の一部において構造材をあらわし(現し)仕上げとしました。上写真では、薪ストーブ近くの柱と梁、窓周りの納まりも構造材が見えるように工夫を施しています。
上写真、正面の白い壁に空いた四角い穴はお子様部屋のロフトと繋がっています。ガラスも柵も設けていませんが、2人のお子様が下に落ちることはこれまでありません。子どもたちの方が、意外と危険を察知しながら上手に空間を、場を楽しんでいるものです。
念願の薪ストーブを手に入れた 薪棚は円形のスイス積み派
「冬は暖かいですよ、電気代もかかりませんし」と1年目の定期点検に訪問した際、ご夫婦が笑顔でおっしゃいました。電気代の高騰でお施主様は皆さまご苦労されているのですが、ここT様邸では事情が異なりました。隣の山林で伐採した木材を用いて薪作り。シーズン前、ご主人の週末は決まってこの作業で潰れるらしいですが、お子さまたちと一緒になって作業する姿は想像するだけで羨ましく憧れるものです。
ご訪問した時には、お庭に4つ、5つでしょうか。薪が積み上げられ並んでいました。私はその時に初めて見たのですが、スイス積みという円形に積み上げていく薪棚とのこと。趣があり姿形がとても素敵でした。
T様邸の断熱性能は、G2グレードに届かない程度のもの。ですが、薪ストーブがあれば家全体が温まります。しかも、寝る前に薪を組めれば朝までポカポカ状態。Ua値0.25、ZEHで蓄電池で、、、という方向とは全く異なるもので、住まい手によって暮らし方がこれだけ異なるのだと改めて家づくりの深さを感じる機会となりました。
キッチン前は通路 手元を隠すカウンター
延床面積が24坪とコンパクトな平屋の間取りですので、キッチン前を通ってリビングへという動線も生じます。ご家族だけで暮らしていれば日常はさほど気にならない点だと思いますが、『来客時』を考えると気になって仕方がなくなる。というあるある現象が発生します。そうした際には、キッチンの手元が極力隠れる高めのカウンターを設ける。通常の20cm程度の高さでカウンターを設ける。という手法を用います。(大工さんによる現場での造作工事)
上写真、キッチンのコンロ前に立つ油はね防止ガラス。こちらも、高さ20cmほどのハーフサイズを選ばれる方から、レンジフードまでの高さを選ばれる方、何も設けない方。お考えで様々異なります。そして、キッチンに限らず浴室、洗面化粧台などにおいても言えることですが、『お掃除のしやすさ』『お掃除をしなくてもいい』という状態を望まれる方が増えています。ですので、上記のガラスもなし!というパターンも意外と増えております。
あったら助かる浴室前の脱衣ならびに収納スペース
ユニットバスの出入り口、その位置について念入りに検討した末、手前の両側に奥行きのある収納棚(可動式)を設けることができました。今回のお住まいでは、洗面化粧台と洗濯機を配置するスペースに1坪(畳2枚分)しか面積を確保できなかったので、こうして畳1枚分の収納スペースを設けられたことは日常生活にとって非常に助かる場となることは間違いなし。タオルや着替え、肌着類のストック。日用品、洗剤などの保管場として重宝します。
上写真、床材はフローリングではなく塩ビタイルを敷き詰めました。わんぱくな男の子が2人みえますので、お風呂上がりびしょびしょになっても、慌てて拭き上げなくてもしばらくはそのまま放置できるのが塩ビタイルの良いところ。昔に比べデザインも様々お洒落になってきている点も採用される理由のひとつでしょうか。
当初はワンルームのお子様部屋 将来的に2部屋へ
男の子の兄弟が遊び場としているお子様部屋。広さはワンルームで8帖ほどにロフトスペースが。床には勉強机だけ置ければOK、ロフトで寝ればこの広さでも問題ないとの判断から。訪問時には弟が下で、お兄ちゃんがロフトで遊び上手に棲み分けできていました。昆虫図鑑を持って駆け寄り話をしてくれる兄弟。お部屋も新しくて綺麗、山林も広いお庭もある贅沢な家で羨ましい限りです。
ロフトへは写真のハシゴで上り下り。ロフト自体に手すりなどは設けていませんが、兄弟が落ちることはないとご夫婦も自信のお言葉。ロフトの天井高は1.4メートルしかありませんが、自由自在に活用している様子からも「ロフトがあって良かった」とご主人は満足そうでした。
このロフトのように、天井高を自由に設定し空間を作り出すことが容易な平屋。一般的な住宅の天井高は2.4メートル。高くても2.7メートル。縦方向の空間の広がりはとても心地の良いものですし、ストレスもありません。イエイエの施工実績でいうと天井高4.5メートルという平屋の住まいがあります。住宅のスケールをはるかに超えた空間は、非日常空間として癒しを齎してくれるものだと実感するものです。
8帖の外部テラスがもたらす豊かさ
上写真、建物の中央部に屋根の架かる部分が8帖の広さをもつ外部テラス。家族揃ってBBQをしたり、生き物を飼育するケースを置いたり、お庭作業の道具を収納したりと用途は多岐に。T様邸は山林もありお庭も広いので、動けば泥汚れとなり玄関に上がる手前に、このような外部空間、屋根のある土間スペースがあると重宝します。また、外部テラスに面した外壁の下地にはご主人のご要望で合板を施工してあるので、棚などの後付け設置が簡単にできます。ほか、外壁材はガルバリウム鋼板なので磁石もくっつき便利です。
この外部テラスの8帖(4坪)を室内にして延床面積28坪の平屋とすることも可能でしたが、建築費用を抑えられるということで24坪の延床面積とは切り離し8帖(4坪)の外部空間が誕生しました。使い勝手も合わせて、この4坪は外部空間で良かった、何も問題ないとご夫婦はおっしゃいます。
地震に強いSE構法と高気密高断熱の暖かい家
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