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岐阜県関市で新築住宅を建てる際に活用できる補助金・優遇制度ガイド(イエイエ令和7年度版)
はじめに
新築住宅の取得は、人生における大きな節目であり、多額の費用を伴う重要な決断です。
しかし、岐阜県関市では、市、県、国が連携し、新築住宅の取得を支援するための多様な補助金や優遇制度を提供しています。これらの制度を賢く活用することで、経済的な負担を軽減し、より理想的な住まいを実現することが可能です。

本レポートは、関市で新築住宅を検討されている皆様が、利用可能な補助金・優遇制度の全体像を把握し、具体的な申請に向けた準備を進めるための羅針盤となることを目的としています。
関市独自の制度から、岐阜県、そして国が提供する制度まで、それぞれの目的、補助金額、対象要件、申請方法、そして複数の制度を組み合わせる際の注意点について、詳細かつ網羅的に解説します。
I. 関市独自の住宅補助金・優遇制度
関市は、市民の定住促進、子育て世帯支援、そして環境負荷低減といった独自の政策目標に基づき、新築住宅取得を支援する制度を設けています。
1.1. 住まいる*せき応援券
「住まいる*せき応援券」は、関市への定住を促進し、市内で住宅を新築または購入し居住する人々を支援するための制度です。特に子育て世帯や若年夫婦世帯への手厚い加算が特徴として挙げられます 。
この制度における補助金額は、住宅の取得時期によって異なりますが、令和6年4月1日以降に新築または購入(建売含む)した住宅の場合、基本額としてせきpay 20万円分が交付されます 。これに加え、18歳未満のお子さまが1人同居するごとに5万円が加算され、申請者またはその配偶者が40歳未満の場合にはさらに20万円が加算されます 。
主な対象者は、関市で住宅を新築または購入し、実際に居住する個人です。住宅の取得日(所有権登記の日付)が令和5年4月1日から令和10年3月31日までの期間内であること、そして取得した住宅に実際に居住していることが条件です。
また、住宅は関市内に所在する個人所有の住宅である必要があり、店舗などを兼ねる場合は、居住部分の面積が全体の2分の1以上であることが求められます。加えて、市税、保育料、水道料金、下水道使用料、その他市に納付すべき歳入金を滞納していないこと、そして関市に3年以上居住する意思があることも重要な要件です 。
申請は、住宅の取得日(登記の日付)から1年以内に行う必要があります。詳細な手続きについては、関市企画広報課への問い合わせが推奨されます。
この補助金加算要件が「18歳未満のお子さま」と「申請者またはその配偶者が40歳未満」に明確に設定されている点は、単なる住宅支援に留まらない、関市の人口政策における強い意図を示唆しています。これは、少子高齢化が進む中で、若年層や子育て世帯の定住を積極的に促し、将来的な地域活力の維持・向上を図るための戦略的な投資であると推察されます。これらの条件に合致する世帯にとって、この補助金は単なる金銭的メリットだけでなく、市がその層を重視しているというメッセージとして受け取ることができ、関市での居住選択を後押しする要因となります。
また、補助金が「せきpay」という関市電子商品券で交付される点は、単なる現金給付とは異なる、より深い経済的意図を示しています。せきpayは市内の加盟店でのみ利用可能であるため、交付された補助金が必ず関市内の消費活動に繋がり、地域経済の活性化に直接貢献する仕組みとなっています。これは、住宅取得支援を通じて、地域内の資金循環を促し、地元商店やサービス業を支援するという、経済政策的な側面を持つと考えられます。補助金が現金ではないため、せきpayの利用範囲を事前に確認しておくことが重要です。
1.2. 関市省エネ住宅購入等補助金
関市省エネ住宅購入等補助金は、温室効果ガスの排出削減と市内の住宅の省エネルギー化を促進することを目的とした補助金です。国が実施する省エネ関連補助金(子育てグリーン住宅支援事業など)の交付を受けた住宅の取得や改修に対して、関市が追加で補助を行います。
新築住宅を建てる場合、主な対象となるのは「省エネ住宅の取得」であり、この場合の補助金額は100,000円です。既存住宅の改修で国補助金の対象となる工事を実施する場合は、当該事業に係る国補助金の交付額の2分の1以内(上限100,000円)が補助されます。
主な対象者は、関市の住民基本台帳に記録されている個人です。この補助金を受けるためには、国補助金(子育てグリーン住宅支援事業または先進的窓リノベ2025事業)の交付を受けていることが前提となります。
また、補助事業を実施する住宅に居住していること、同一世帯にこの補助金の交付を受けた者がいないこと、そして市税等を滞納していないことも要件です。特に重要なのは、当該新築または改修に係る国補助金の交付を受けた市内事業者が施工するものであることです。
補助申請は6月18日より受付が開始されており、予算額に達し次第終了するため、早期申請が推奨されます。
申請は、国補助金の交付額確定通知書受領日から60日以内、または当該通知書受領日の属する年度の2月末日のいずれか早い日までに行う必要があります。詳細な問い合わせ先は、関市役所 市民環境部 環境課です。
この補助金は、国が提供する「子育てグリーン住宅支援事業」や「先進的窓リノベ2025事業」といった大規模な省エネ関連補助金を前提としており、その交付を受けた住宅に対して関市がさらに上乗せして補助を行う仕組みです。これは、国の政策目標(省エネ化推進)と地方自治体の政策目標(地域内の省エネ化、温室効果ガス削減)が一致している場合に、両者が連携してより大きな支援を実現する「政策の積み重ね」の好例です。
ユーザーにとっては、国と市の両方から支援を受けられる可能性があり、総受給額を最大化するための重要なポイントとなります。まず国の補助金申請を検討することが、この関市補助金への道を開きます。
さらに、補助金の対象となるためには、「当該建築等に係る国補助金の交付を受けた市内事業者が施工するものでなければならない」という条件があります。この要件は、単に省エネ住宅を増やすだけでなく、関市内の建設業者や関連事業者の活性化を意図していると考えられます。補助金が地域外に流出するのを防ぎ、市内の雇用創出や経済循環を促すための明確な政策手段です。ユーザーは、住宅建設を依頼する際に、この補助金の要件を満たす市内事業者の選定が必須となることを認識しておくべきです。

1.3. 住宅ローン【フラット35】金利引き下げ(住まいる*せき応援券連携)
関市は住宅金融支援機構と協定を締結しており、関市独自の「住まいる*せき応援券」の交付対象者のうち、特定の条件を満たす方が住宅ローン【フラット35】を利用する際に、金利引き下げの優遇を受けられる制度を提供しています。
この制度の優遇内容は、住宅ローン【フラット35】の借入金利が、当初10年間、**年0.25%**引き下げられるというものです。主な対象者は、「住まいる*せき応援券」の交付対象者であり、かつ18歳未満のお子さまが同居している世帯です。
この金利引き下げは、一時的な補助金とは異なり、住宅ローンの返済期間(当初10年間)にわたって継続的な経済的メリットを提供します。これは、住宅取得時の初期費用だけでなく、その後の生活におけるランニングコスト(住宅ローン返済額)の負担軽減にも焦点を当てた、長期的な視点での支援策です。特に子育て世帯にとって、長期的な家計の安定に寄与する点で、非常に価値の高い優遇措置と言えるでしょう。
1.4.宅配ボックス設置補助金
岐阜県関市では、市民の利便性向上および再配達削減による環境負荷軽減を目的として、宅配ボックスの設置を支援する補助金制度を設けています。この制度は、近年増加する宅配便の利用とそれに伴う再配達問題への対応策として導入されており、市民の皆様がより快適に荷物を受け取れるよう、経済的な支援を行うものです。
A. 補助対象者
関市内に居住し、かつ住民登録をしている個人。 ※ 法人や集合住宅のオーナー等が共同で設置する場合は、別途条件が設定される場合がありますので、関市役所担当課にご確認ください。
B. 補助対象となる宅配ボックス
- 個人住宅に設置される宅配ボックスであること。
- 荷物の収納・取り出しが容易であり、施錠機能を有するものであること。
- 耐久性があり、風雨等に耐えうるものであること。
- メーカー等から販売されている既製品であること。(自作品は原則対象外)
- 新設されるものであること。
- C. 補助対象経費
宅配ボックス本体の購入費用および設置に要する工事費用(基礎工事、アンカー固定工事など)。 ※ 送料、リサイクル費用、既存の構造物の撤去費用等は対象外となる場合があります。
D. 補助金額
最大10,000円(補助対象経費の2分の1以内の額)。 具体的な補助率や上限額は年度によって変動する可能性がありますので、申請前に必ず確認が必要です。
※詳しくは、関市 市民環境部 環境課へお問い合わせください。

1.5.クリーンエネルギー自動車購入補助金
岐阜県関市では、地球温暖化対策および地域の低炭素化を推進するため、環境負荷の少ないクリーンエネルギー自動車(CEV)の購入を支援する補助金制度を設けています。この制度は、市民の皆様が環境に優しい自動車を選択しやすくなるよう、経済的なインセンティブを提供することを目的としています。
A. 補助対象者
関市内に居住し、かつ住民登録をしている個人、または関市内に事業所を有する法人・個人事業主。 (ただし、市税を滞納していないことなどの条件が付帯される場合があります。)
B. 補助対象となる自動車
以下のいずれかのクリーンエネルギー自動車(CEV)で、新車で購入されるものが対象となります。
- 電気自動車(EV): 駆動源を全て電気とする自動車。
- プラグインハイブリッド自動車(PHEV): 外部充電が可能なハイブリッド自動車。
- 燃料電池自動車(FCV): 水素と酸素の化学反応で発電した電気で走行する自動車。
【重要】 国のCEV補助金(CEV補助金、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金など)の対象となっている車両が、関市の補助金対象となることが多いです。購入前に必ず、関市役所の担当課に確認してください。
C. 補助対象経費
クリーンエネルギー自動車本体の購入費用。 (登録費用、リサイクル料金、オプション品、税金、保険料などは対象外となる場合があります。)
D. 補助金額
補助金額は、車種(EV、PHEV、FCVの種類や、バッテリー容量など)や車両本体価格、国の補助金との併用状況などによって変動します。 具体的な補助金額は、以下のいずれかの方法で算出されることが多いです。
最大50,000円
(自動車の区分に応じた額とする)
※詳しくは、関市 市民環境部 環境課へお問い合わせください。

II. 岐阜県が提供する新築住宅関連補助金・優遇制度
岐阜県は、県産材の活用促進や脱炭素社会の実現を目指し、新築住宅に関する多様な支援制度を展開しています。
2.1. ぎふの木で家づくり支援事業
「ぎふの木で家づくり支援事業」は、岐阜県産の木材(県産材)の利用を促進し、県内の森林資源の活用と地域経済の活性化を図ることを目的とした補助金です。新築住宅の構造材や内装材に一定量以上の県産材を使用した場合に助成が行われます。
補助金額は、県内新築タイプの場合、県産材の使用量に応じて15万円から最大32万円が助成されます。国補助金等との併用を希望する場合は、補助金額が通常の55%に減額されます(上限17万6千円、下限8万2千円)。
主な対象者は、岐阜県内に木造戸建て住宅を新築する個人です。構造材に「ぎふ性能表示材」または「ぎふ証明材かつJAS製品」を80%以上使用すること、そして内装材にも県産材を使用する場合は加算があります 。
また、県が認定した「ぎふの木で家づくり協力工務店」または事業実施後に認定を受ける施工工務店が建設する住宅であることが要件です。県が実施する構造材または内装材を対象とした他の補助金や利子補給を受けていないことも条件となります。
令和7年度の申請期間は、工事完了期間が令和7年2月1日から令和8年1月31日までと定められています。申請枠登録受付は令和7年4月10日から令和7年9月30日まで、補助住宅申請は令和7年4月10日から令和8年2月2日までで、工事完了日から60日以内に提出が必要です。
併用可能性については、国費を財源とする補助制度【例:子育てグリーン住宅支援事業(新築タイプのみ)、先進的窓リノベ事業(改修タイプのみ)など】との併用は可能です。また、「脱炭素社会ぎふモデル住宅普及事業費補助金」との併用も可能です。ただし、県が実施する構造材や内装材を対象とした他の補助制度との併用はできません。問い合わせ先は、岐阜県 県産材流通課(058-272-8487)です。
この事業は、岐阜県が有する豊かな森林資源(県産材)の利用を直接的に奨励しており、これにより「地域経済の活性化」や「CO2排出量の削減」といった多面的な効果が期待されています。これは、単なる補助金制度に留まらず、地元の産業を育成し、持続可能な社会の実現に貢献するという県の強い意思を表しています。県産材を使用することは、補助金という直接的なメリットだけでなく、地域の環境保護と経済循環に貢献するという社会的な価値も生み出します。住宅の断熱性や耐久性向上といった機能的メリットも強調されており、長期的な住環境の質向上にも繋がります。
「ぎふの木で家づくり支援事業」は、国補助金との併用が可能であるものの、その場合は本補助金の交付額が55%に減額されるという明確なルールがあります。これは、複数の補助金を検討する際に、単純な足し算ではなく、各制度の併用ルールと減額率を考慮した上で、最も総受給額が高くなる組み合わせを慎重に計算する必要があることを意味します。例えば、国補助金(最大100万円)と本補助金(最大17.6万円)を併用する方が、本補助金単独(最大32万円)よりも総額が大きくなる可能性が高いです。この複雑性は、専門家(工務店や補助金コンサルタント)との密な連携が不可欠であることを示唆しています。
2.2. 脱炭素社会ぎふモデル住宅普及事業費補助金
「脱炭素社会ぎふモデル住宅普及事業費補助金」は、環境負荷の低減と高い省エネルギー性能(ZEH基準など)を有する住宅の普及を目的とした岐阜県の補助金です。外壁や窓などの断熱対策を講じた住宅の取得を支援します。
この補助金では、ZEH基準(断熱等性能等級5以上、冷暖房一次エネルギー消費量20%削減、一次エネルギー消費量等級6)を満たす住宅に対して、40万円が補助されます。特に、「ぎふの木で家づくり支援事業」と組み合わせることで、最大72万円の補助が可能です。
主な対象者は、岐阜県内で補助対象事業を行う個人です。一戸建ての住宅であること(居住部分の床面積が延べ面積の2分の1以上)、土砂災害特別警戒区域に立地していない住宅であること、令和7年4月1日以降に契約を締結し、令和8年2月20日までに事業が完了することが要件です。重要な点として、国が行う住宅取得に対する他の補助金等(国費を活用する市町村の補助金を含む)を受けていないことが条件となります。
令和7年度の申請期間は、令和7年5月1日から令和7年11月15日までです。問い合わせ先は、岐阜県 都市建築部 住宅課です。
この岐阜県のZEH補助金は、国の「子育てグリーン住宅支援事業」や「戸建住宅ZEH化等支援事業」といった他の国費を財源とする住宅取得補助金との併用が明確に不可とされています。これは、「ぎふの木で家づくり支援事業」が国補助金との併用を認めている(ただし減額あり)点と対照的です。この排他性は、岐阜県がZEH普及において、独自の政策枠組みと財源で主導権を握りたいという意図を示唆しています。ユーザーにとっては、国のZEH補助金(最大100万円)と岐阜県のZEH補助金(最大40万円、ぎふの木と併用で最大72万円)のどちらを選択するか、慎重な比較検討が必要となります。どちらが総受給額を最大化できるか、また、それぞれの申請条件や手続きの容易さを考慮した上で、戦略的な判断が求められるでしょう。
補助金の広報資料では、省エネ住宅のメリットとして「光熱費を抑えることができる」という経済的側面だけでなく、「夏は涼しく、冬は暖かい快適な空間」「ヒートショックや高血圧症の防止など、健康にもたらす効果」といった快適性や健康面、さらに「CO2排出を削減できる」といった環境的側面が強調されています 12。これは、補助金が単なる経済的インセンティブではなく、省エネ住宅がもたらす生活の質の向上や、社会全体の脱炭素化への貢献といった、より広範な価値をユーザーに訴えかけることで、政策目標の達成を促していることを示しています。ユーザーは、補助金だけでなく、これらの長期的なメリットも考慮して住宅の性能基準を決定する動機付けとなります。
2.3. ぎふの木で家づくりローン支援制度
「ぎふの木で家づくりローン支援制度」は、岐阜県産の木材を一定量使用した住宅を新築する際、県と連携する協力金融機関が取り扱う住宅ローンにおいて、金利優遇を受けられる制度です。
この制度の優遇内容は、協力金融機関(例:大垣共立銀行、十六銀行、東濃信用金庫など)の住宅ローン金利が優遇されるというものです。主な対象者は、岐阜県、愛知県、三重県内に木造戸建て住宅を新築する個人で、岐阜県産材を構造材または内装材に一定量以上使用していることが条件です。令和7年6月27日現在、募集棟数100棟に対し、申請実績は0棟とされており、高い利用可能性が示唆されます。
この制度は、「ぎふの木で家づくり支援事業」のような直接的な補助金とは異なり、住宅ローンの金利優遇という形で間接的な経済的支援を提供しています。これは、住宅取得時の初期費用を補助するだけでなく、住宅取得後の長期にわたる返済負担を軽減することで、ユーザーの経済的安定を多角的に支援しようとする県の姿勢を示しています。直接補助金と組み合わせることで、総体的な経済的メリットを最大化できるため、積極的に協力金融機関に相談することが推奨されます。
【注意事項】
上記情報につきましては正確性を欠く場合がございますので、実際にご自身で各所窓口へお問い合わせのうえご確認ください。
参照サイト
・関市公式サイト 住まいる*せき応援券
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